私への想いを、上手に伝えてしまうから



あなたがくれる私への心地は、幸福。















             
W o u l d  y o u  l i k e  t o  g o  s o m e w h e r e  ?
             















たまには普通のデートをしないか、と何気なく誘ったのは、あなただった。
久しぶりに重なった休日で、たまにはどこかへ行きたいと思ったけれど、あなたに無理はかけたくない。
そういう理由で、2人で部屋で休んでいるときだった。
私は本のページを捲ろうとする手を止めて、同じく本を読んでいるあなたの方を見た。



「・・・でも、あなたが疲れちゃうわ。」
「アーシェといて疲れることなんてないよ。」



当然かのように返ってきた答えに、私は多少の困惑と嬉しさを覚える。
でも・・・、と私は微笑んで続ける。



「せっかくの休みなのに・・・私の都合に合わせたくないわ。」
「アーシェは、行きたくない?」



読んでいる本から目を反らさずに、それでも多少微笑みながら、あなたは問う。
私は小さな苦笑とため息をついて、素直に答えた。



「本当は、あなたといられればそれだけでいいの。でも、たまには、ね。」
「アーシェならそういうと思った。じゃあさっそく、準備してくるよ。場所は君に任せる。」
「・・・ありがとう。」



王宮の中は、息苦しくないといったら、嘘になる。
常に笑っていなければいけないし、幸せそうにしていないと、周りが心配する。
現に幸せだけれど、それでも疲れたときには無理やり笑顔を作ることもある。
それを彼は知ってか知らずか、いつも私に安らぎをくれるのだ。
本当はどんなときでも、どんな場所にいても、あなたがいれば安心するのだけれど。
それを口にするのは、また別の機会にしよう。



「アーシェ?支度はできた?」
「えぇ、もちろん。久しぶりに外へ出るから、少し張り切っちゃった。」



普段着に着替えた私とあなたは、今だけは、普通の恋人同士。
あなたと一緒に外に出れば、空はいつだって私たちを明るく出迎えてくれた。