些細な奇跡でも信じられるような、あなたの強さ
零れ落ちた雫を。
T i m e o f p r o m i s s
「・・・雨、降り止まないのね。もう、朝からずっとよ。」
基本的に温かい気候に恵まれているダルマスカに、雨が降るのは比較的少ない。
しかも、この時期は一日中暑い。周りの大半が砂漠なため、乾燥もしている。
なにか、悪いことでもあるのだろうか。
最近、父もバッシュも難しい顔ばかりをしているから、そう考えざるを得ない。
隣には、あなたがいるというのに。
「久しぶり?」
「えぇ。夜っていうのもあるけど、いつも、こんな暗くないわ。星も見えないなんて。」
「・・・確かに。なにか悪いことでもあるのか?」
窓に触れていた私の指先が、ピタリと動かなくなる。
笑い事には今となっては受け止められない現実を、あなたの苦笑混じりな声で聞く。
私はそっと、まるで怯えるようにゆっくりと、あなたのほうを向いた。
あなたはそっとため息を吐いて、私を後ろから優しく抱きしめた。
「悲しい顔をするのは、本当に悲しいことがあったときだけにしよう。」
「今だって、十分悲しいわ。」
「俺が傍にいても?」
「・・・ズルイわ。今が一番悲しいなんて絶対にいえないことが。」
「いわなくていいさ。君には、いつも笑っていてほしい。」
「・・・ならば、そんな信じられない話をするのも、信じられないことがあったときだけにしましょう?」
「・・・そうだな。」
あのときのあなたの顔が、今でもずっと忘れることができない。
悲しさを隠して、強く前を向こうとするあなたを信じた。
たとえそれが、いつか残酷な形で裏切られようとも、そうすることしかできないのだと思った。